2010年10月08日

大宗師



■Pさんの曲に、動画をつけさせて頂きました!
渋くて素敵な声のKAITOが歌う、切ない、でもゆるぎない思いのあふれる曲です。
綺麗な声のMEIKOさんも歌ってます。
良かったら聞いて…いや、ぜひ聞いてください! 本当に良い曲なので!!

楽曲の原作は、神林長平氏作のSF小説『膚の下』
火星三部作中の、一番最後に出版された小説です。
(『あなたの魂に安らぎあれ』→『帝王の殻』→『膚の下』の三作)
人造人間である慧慈(けいじ)を主人公に、荒廃した地球を背景に進む物語で、読むと色々と考えさせられる話です。
もし、興味が湧かれましたら、読まれることをオススメします。

動画の方の説明文の方でありますが、自分も原作大好きです。三部作中で一番好きな作品かも。
なので、その愛の強さがPVに出てしまってます…(;´∀`)
(……原作大好きすぎて、すみません。愛ゆえに、なんかもう色々と自重も妥協もできなかった)
なので、最初はどうぞ目を閉じて、shikakuさんの楽曲と声の美しさを堪能する事を強くオススメしますw

※shikaku(■P)さんのブログに、mp3(Onボーカル&カラオケ)がある模様!
楽曲のDLはコチラでどうぞ!!
 
 
 
たくさんの方に聞いて見て頂いているようで、本当にありがとうございます!
原作面白いですよ、God be with youもいい曲ですよ!!
今回の楽曲と共に、ぜひぜひオススメします!!


では恒例の、動画に使用した絵や、その他ボヤキとか色々です。
原作愛により、所々語りが長いです(;´∀`)
どうぞ、気にせず絵だけ見てくださいw
あと、原作の内容に触れることがあるかと思うので、ネタバレになる箇所は、※で括って白文字で伏せておきます。

また、今回の動画は、全体的に色味を落としたりコントラストで変化させたりしています。
なので、原画の色味とかなり違うことが多いと思います。
 
 
 
前奏――文字画像なので割愛。

前奏は、shikakuさんのご意見から。
原作を知っている人なら気付くと思うけど、原作の一番最初のページです。印象的な言葉だと思います。
終章の、未来の実加のくだりでも最初に書いてありますね。『膚の下』→『帝王』→『あな魂』への時代の繋がりもそうだけど、『膚の下』でも最初と最後が繋がっているんですね。
 
 
 
sai-1+2.jpg
 
歌詞に併せて原作冒頭より訓練中の慧慈KAITOとウー中尉。
 
青ヘルが中尉で、白ヘルがKAITO。動画中に表示されていた文は原作から。
原作の雰囲気を壊したくなかったので、ほぼそのままで抜粋しています。
 
原作では、のっけから慧慈が腹黒くて、最初に読み始めたときは「え、なに…どうしようこの子」とか思いましたw
でも、そこが妙に人間臭くて、アンドロイド=「無機質な人間」の先行イメージのあった自分にはひどく新鮮に見えて好きでした。

 
 
 
dai-twr+.jpg
 
廃墟となった『ヨコハマ』の象徴、ミレニアムタワー。
 
これは、shikakuさんが撮った横浜ランドマークタワーの写真から構図を起こし描きました。でも、ランドマーク≠ミレニアムっぽいので、デザインは変えています。
自分は横浜へ行ったことが無いので、shikakuさんからどんな場所か話を聞かせてもらいました。
海沿いで、大きくて綺麗なビルがたくさん立ってるとか…人工美、いいですね。一度行ってみたいです。
 
原作の悲劇の場所であり、生と死、そのものの象徴。
作中のビル高からすると、本当はポートタワー? それとも別のタワー? いやもしかして月戦争前に作られたもの? 未だに謎です。

 
 
 
dai-8.jpg
 
交戦
命の極限状態で、慧慈KAITOの瞳孔が…。
 
動画の発砲シーンは、火花ありとなしを短時間で交互に入れ替えて表示し、片方のみにガウスぼかし(ブラーだったかな?)をかけてます。
色味も、動画では原画よりもぐっと渋く暗くして表示していました。
 
実は、初期ラフ案から残ったものの一つで、ラフの頃は前後に人がいました。でも、あまりに周囲を暗く描いてしまったため、実案では消えてしまいました。
その消えた前後の人物は、前に倒れているのが中尉、後ろが慧慈の部下の一人。原作のこのシーンは、息を詰めて読んでいた覚えがあります。
本当は、ここで「こいつまだくたばって〜」のくだりを入れたかったけど、尺が足りませんでした。あのシーンも何気に大事なんだよね。

 
 
 
dai-5.jpg dai-5+.jpg
 
膚の下の魂は…

歌詞にあわせて。
これも初期ラフ案から。作中、たぶん一番最初に描き上げた絵。
今回のKAITOは「慧慈KAITO」なので、実はいつもよりも髪短めで瞳黒めだったり。体格も軍人なのでゴツい。腕とか胸とかムキッてしてますw
変なこだわりですみません(;´∀`)

人でありながら人ではなく、では何なのかと問われれば確たる答えは己の中にない。
アートルーパーはクローンとはまた違う作られた人間で、自然の摂理上に生まれた者ではない。
人間の為に創られたとはいえ、それで人に従属するのではただの機械で奴隷でしかなく、命と意志を持ち得る以上、それはまた人間とは別の一つの存在となるわけで…と、考えれば考えるほど、こっちは「じゃあ…人間って何なんだろう?」という気になってきます。


 

dai-10-1.jpg

dai-10-2.jpg

dai-10-3.jpg dai-10-4.jpg

アートルーパーと独立

どのシーンをもってくるか考えていた時、shikakuさんとの話で使いたいシーンの一つとしてあがっていたので、歌詞とあわせて起用。

晋彗がサンクを撃ち、慧慈が梶野少佐を撃ったあのシーン。
2枚目の腕を押さえているのが梶野少佐、その隣が石谷少尉。石谷少尉の冷静さと切れ者っぷりはかっこいいと思う。
3枚目が晋彗。妙な髪形だよなぁと思うかもしれないけど、実はそれには理由が…。
4枚目がサンクとジェイ。


 

dai-magira.jpg

間明少佐

窓IMEだと変換できない名前一号マギラ少佐(ノ∀`)
同様に『膚』(はだえ)も出てこないw
動画中にもあった、「われらは、おまえたちを創った。おまえたちは、何を創るのだ?」は名言。

場面は、慧慈へ卒業を告げるあのシーンを意識しています。
間明少佐は、ずんぐりした体格のいい中年の方だと思ってます。純日本人っぽい体型で、剣道着とか似合いそうな感じ。生真面目な性格からして短髪っぽいかな、と。
間明少佐、渋くていいよ。自分、この方好きです。
反対に、梶野少佐は前髪を横に流してるインテリっぽい感じで、人間然とした人間。慧慈から見れば、たぶんこの二人は同じ「人間」でも、全く違うものに見えるんじゃないかと思います。

 
 
 
dai-11-2-.jpg

dai-11-3.jpg

dai-11-7-m.jpg dai-11-7-k.jpg

dai-11-4.jpg

dai-11-1.jpg

dai-11-2+-.jpg

間奏−慧慈KAITOと実加MEIKO−

「間奏の掛け合いは、文字教えのシーンを音的に描写してみたつもり」とのお話だったので、持って来ました。
ピアノの旋律とコーラスが本当に綺麗で、それに沿ってどう表現するか、どう併せるか、一番試行錯誤した部分でした。

原作を知っている方は解るだろうけど、ここはかなり場面を省略しています。
あと、本当は原作の言葉のみを使いたかったけど、原作でのここはかなり長く、それだとどうしても場転が駆け足になってしまうので、台詞と感想以外の説明文は自分で書いています。
原作好きな人はごめんなさい。
実加の、あの言いようのない寂しさと空虚さを表すのが難しかった。あのシーンは何度読んでも良いと思う。


そういえば、その動画部分を考える上で、こういうラフを描いたりしていました↓

dai-11-rough1.jpg dai-11-rough2.jpg dai-11-rough3.jpg

考えが煮詰まって、ワカンネーってなった時、
「ならばいっそ、あのシーンを描いていけばいいじゃない!」
と思い描いたもの。台詞なしの吹きだしだけ。でも、あまりの長さに途中で落ちたw
実際、数シーンここから抜き出して描いています。
オマケで、結局使わなかったラフも一緒に。
 
 
 
dai-twr+shinsui.jpg

dai-twr+sUP.jpg

アートルーパー晋彗

背景は一番の廃墟と同じ、ミレニアムタワー。
ちなみに、楽曲の一番は主に慧慈と人間たちの繋がりを描き、二番は慧慈と仲間と世界の繋がりになっています。

本当は、ミクロックが落ちてタワーは瓦礫となってるから、場面の背景としては間違ってますw
気付いたのは制作の終盤で、この時はもうこれ以上描く力が無かった…ごめんorz
晋彗は、人間の思惑に振り回されてしまった子で、本当に切なかった。でも、最後は救われたと思います。

 
 
 
dai-12++.jpg

仲間たち

左から、エム、ケイ、慧琳MEITO、慧慈KAITO、サンク、ジェイ、エル。
慧琳がMEITOデザインなのは、彼が慧慈と同じアジア圏のエリファレットモデルだから。
今回は慧慈=KAITOなので、同じ日本語VOCALOID1エンジンをもつMEIKO=慧琳、
だけど慧琳は男なのでMEITOに――という話をしていました。
エリファレットモデル5人いるし、VOCALOID1エンジンも5人。
アジア圏二人で、日本語V1エンジンも二種とか、偶然すぎてなんか楽しい。
 

  
dai-12+r.jpg

そして…

この絵と上の仲間の絵は、同じ視点、大きさで作っています。重ねてみると…。
動画でも、なんとなくネタバレですよね。すみません。

エムの羽が一番下にあるのは、原作でエムが最初に…なので。


この仲間たちですが、実はインテジャーモデルたちも性格に応じてVOCALOID2を当てて描いています。それによって、色合いと髪の分け目が少しだけ違ってます。
もちろん晋彗もモデルがあります↓

ARTrooper.jpg

ラフ段階での顔差分

性格とか、意外とぴったりかも!…と思っているのは、自分だけかもしれないw
晋彗は、実はがくぽをモデルにしています。細目紫髪なのはそのせい。
となると、残る3人のニュートリシャスは、めぐぽ、リリィ、がちゃっぽいどェ…


おまけで、軍服設定ラフ↓

ARTrooper1.jpg ARTrooper2.jpg
 
 
 
dai-13.jpg

棘の夢
二番サビに併せて、動物たちを背負いつつ。
イメージ元は、原作での慧慈が見た夢と、論戦後の「サンクを抱いて眠りたい」から。
額の蝶は、荘子の蝶の夢から。烏は原作、白猫は『あな魂』から。

胸元に抱いているのは、最初は日記ではなくサンクの予定でした。
でも、歌詞に合わせて実加を想像させるものに変更しています。
 
 
 
dai-p1+.jpg

dai-p0+.jpg

同じ丘の上から
これも重ねると…。

終章の実加の言葉「慧慈が何度もきたであろう小高い丘」と、慧慈の場面の最後の夜明けのシーンから。
 
 
 
dai-6-1.jpg
 
dai-6-2.jpg

実加MEIKOと…

ネタバレというか、これは個人的希望というか。


実加が幸せになっている、それだけで読者も嬉しかったはず。
2枚目の絵は、彼らの出会いとなった最初の文字教えと繋げてます。
文字によって二人が出会い、その彼女が生きる未来を思いながら彼は生き、そして、遠い未来で少女は教えられた文字で彼と出会う……(´;ω;`)
もうね、これは泣かざるをえない。

ちっくしょう、『膚の下』大好きだァァァァ!!
 
 
 
daimei_bg3.jpg

タイトルロゴ背景
慧慈KAITOとサンクのシルエット。羽根マフラー。
動画中では、マフラーが羽根に変化しています。

背景の地球はフリー素材【壁紙宇宙館】からお借りしています。
マフラーなのは、やっぱりKAITOだから。
で、それが黒い羽根に変化するのは、エンズビルだから。
ちなみにこの服装は、『後にアンドロイドの指導者として、地球を巡っただろう時の服装』という想像で描いたものです。
聖職者の如くアンドロイドを導く師だから、マフラーは白で。でも軍服は着ていたんじゃないかな、という気がします。



以上です。
自ブログ上ですが、長々とすみません。
もし、こちらにお越しの方で楽曲の方を聞かれていない方がいらっしゃったら、是非お立ち寄りください。
もちろん、最初は目を閉じてw自分の動画は、ある意味オマケですので。

あと、原作に興味持ってくれた方がいらっしゃって、とても嬉しいです!
上下巻と長いですが、必ず感動します!! 頑張って読んでください!

では、ご拝聴またご覧いただき、本当にありがとうございました!!


追記(10/12)
エルシャダイふいたwwwww
大丈夫だ、問題ないw楽しみにしているゲームの一つです。
公式イラスト、綺麗で好きです。色合いとか雰囲気とか、どこか『大神』っぽい。
映像のドヤ顔、謎台詞、つまようじ発言には噴きまくったけどwww
posted by コチニール at 03:56| Comment(2) | TrackBack(0) | VOCALOID | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして!もずくと申します。
■さんとコチニールさんの「大宗師」を拝見して心打たれ、原作を読んでまた感動した者の1人です。

こちらのブログにお邪魔して、実際に動画を見ていた時は気付かなかった点(後ろ姿と風景を重ねてみると・・・など)に気付いたり、キャラクターデザインにこんな裏話があったのかと興味深かったり、本当にお2人の原作への愛情や動画作成時のコチニールさんの心遣いを感じました。

ニコニコ動画でどなたかコメントされていて、心から同意したことですが、動画を拝見して原作を読みたくなり、原作を読んでまた動画を視聴したくなる、という作品だと思います。
素晴らしい作品に触れられた感謝の気持ちと敬意でいっぱいです、本当にありがとうございました。これからの作品も楽しみにしています(*´▽`*)
Posted by もずく at 2010年11月28日 15:26
もずくさん、はじめまして!
メッセージありがとうございます。お返事が遅くなり、申し訳ないです(;><)

「大宗師」ご拝聴&ご覧いただき、本当にありがとうございます!
原作も読んでいただけたとのことで!! うわー、すごく嬉しいです!

自分も二年ほど前に■さんからこの本のことを教えてもらい、読んで熱く感動した身だったりします。
その頃からこの本で曲を…とお話されていたので、作ると決まった時、原作の素晴らしさと■さんの想いに応えられるよう、気合を入れてお手伝いさせてもらいました(`・ω・´)
なので、もずくさんにも、動画にお越しいただいた皆さんにも、こんな風に喜んでもらえてて、本当に嬉しい限りです。
こちらこそ、ありがとうございました!

これからも素敵な作品をお届けできるよう、頑張りますね!
コメント、ありがとうございました♪
Posted by コチニール at 2010年12月11日 01:39
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。